オートポイエーシスの例として挙げられている細胞のモデルとして、20年以 上前に提唱されたのが Metabolism--Repair Systems である[7]。
以下が Metabolism--Repair Systems の定義である。
と写像の族

が与えられている。ここで、任意の
に対して、ある
が存在して、A は f の定義
域か値域になっているとする。
に対して、
の部分集合
が存
在して、写像

が存在する。ここで、A、B は f の定義域であり、
は A
から B への写像全体の集合を表す。
の定義域にもなっていない
は、
外部からの入力空間となり、どの
の値域にもなっていない
は、外部への出力空間となる。
最も単純な Metabolism--Repair System は以下の形式である。

ある
に対して
ならば、このシステムは自己
を産出していると見なすことが出来る。特に、
に対して、写像

の逆写像が存在する場合、
となることは容易に証
明出来る。つまり、
は a と f から構成される。
外部からの入力 a が上記の条件を満たす限り、自己産出が継続される。